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GEO対策の前に、自分のサイトで5週間測った

AI検索で自社が引用されるかを5週間実測した記録

この記事でできるようになること読み終えると、自社がAI検索に出ているかを自分で測る手順と、出なかったときに何を疑えばいいかが分かります。

2026年8月1日から5週間、ChatGPT・Perplexity・GoogleのAI Overviewで自社サイトが引用されるかを23回測りました。指名あり・なしを合わせて出たのは7回、出なかったのは16回です。分かったことは3つあります。1つ目、エンジンによって結果が真逆になること。同じ質問でChatGPTでは候補の1番目に出て、Perplexityでは1件も出ませんでした。2つ目、検索順位とAI検索での引用は連動しないこと。検索で69位のページが引用され、18位のページが引用されませんでした。3つ目、「引用される」と「勧められる」は別物だということです。

GEO・LLMOという言葉が急に増えました。ただ、読める記事のほとんどは「とは」と「対策方法7つ」で、実際に測ってみた数字が出てきません。私も人に勧める前に自分のサイトで確かめたかったので、5週間ぶん記録を取りました。

この記事はその生ログです。うまくいかなかった結果のほうが多く、途中で自分の測り方が間違っていたことも分かりました。そこも含めて書きます。数字はすべて実測値で、推定の箇所はそう書いています。

01 · Method

何を、どうやって測ったか

測ったのは「自社サイトが生成AIの回答に出てくるか」です。期間は2026年8月1日から9月8日までの5週間、測定日は5日、記録は23件。エンジンはChatGPT・Perplexity・GoogleのAI Overviewの3つです。

エンジン記録した件数測り方
ChatGPT11件ブラウザで実際に質問して目視。1つの質問につき必ず新しいチャットを開く
Google AI Overview7件検索APIでAI Overviewの有無と、その下の検索結果での自社の位置を取得
Perplexity5件ブラウザで実際に質問して目視。情報源カードも確認

質問は「指名」と「非指名」に分けました。指名は「原駿介 AI研修」のように社名・人名を含むもので、AIが自社を正しく認識できているかを見ます。非指名は「札幌 生成AI研修 おすすめ」のように、買い手が業者を探すときの聞き方です。本丸は非指名のほうで、ここに出なければ新しい相手には届きません。

測るときのコツが1つあります。ChatGPTは必ず新しいチャットで、1つの質問につき1チャットにしてください。同じチャットで続けて聞くと、前の会話が文脈として効いてしまい、自社に有利な結果が出ます。これは実験ではなく自作自演になります。

なお当初はAPIでまとめて測ろうとしましたが、使ったデータベースが米国・英語のみで日本語のカバレッジが無い疑いがあり、自社も競合も一律ゼロ件という結果になりました。判断材料にならないので、実機での目視に切り替えています。

02 · Result

結果:23回中7回。出た場所と出なかった場所

23件のうち、回答に自社が出てきたのは7件(約30%)、出なかったのは16件でした。内訳を見ると、出た場所と出ない場所がはっきり分かれています。

どこで結果中身
ChatGPT / 非指名出た「札幌 生成AI研修 おすすめ」で候補の1番目。8月・9月の2回とも同じ位置を維持。目的別の比較表6行のうち4行が自社だった
ChatGPT / 指名出た社名・人名での質問はいずれも自社サイトを引用。認識自体はできている
Google AI Overview全滅測った7つの質問すべてでAI Overviewが表示され、そのすべてで自社は不在。AI Overviewが出なかった質問は1つもなかった
Perplexity / 非指名全滅4件すべて不在。ChatGPTで1番目に出た質問も、こちらでは勧められなかった
Perplexity / 指名出た1件のみ。実績ページ・サービスページ・記事の3つが情報源に入った

いちばん重く受け止めたのはGoogle AI Overviewの全滅です。測った7つの質問すべてでAI Overviewが出ており、「AI Overviewが出ない質問」が1つも無かったという事実のほうが、自社が不在だったことより大きい。検索結果の上に必ずAIの要約が乗る前提で考える必要がある、ということです。

03 · Engines

エンジンで結果が真逆になる

同じ質問なのにエンジンで結果が食い違う、という場面が2つありました。どちらも「GEO対策」を一括りに語れない理由になっています。

食い違い1:社名で聞くと、Perplexityは自社サイトを見ない

「ゼネラリスト 札幌 AI」と聞いたとき、ChatGPTは自社サイトを引用しました。ところがPerplexityは自社サイトを情報源に一切入れず、代わりに法人登記のデータベースを情報源にして答えました。

原因を調べたところ、自社サイトが所在地・法人番号・正式名称をほとんど持っていなかったことが分かりました。会社を特定する情報がサイト側に無いので、AIは登記情報から会社を特定しにいったわけです。「AIに引用されたい」以前に、自社が何者かをサイトが答えられていなかったという話でした。

食い違い2:引用はされるが、勧められない

こちらは自分の測り方の間違いです。9月7日の記録に、私は「Perplexityで完全に不在」と書きました。後日これは誤りだと分かりました。

正しくは「引用はされているが、勧められていない」でした。回答の下にある情報源カードに自社の記事は入っていたのに、目視で見落としていたのです。そのうえで、回答本文の「おすすめの会社」の表には自社が一度も出てきませんでした。

「引用された(cited)」と「勧められた(recommended)」は分けて測らないと、実態を読み違えます。引用は「情報源として使われた」だけで、読者に選択肢として提示されたわけではありません。私の場合、AIは自社の記事を「選び方を解説している第三者」として読んでいて、「選択肢の1つ」としては見ていませんでした。

このとき勧められていたのは5社。その5社はいずれもサービスページを持っていました。一方こちらが拾われたのは解説記事です。「解説する人」として引用されるほど、「頼める会社」の候補からは外れていく——これが5週間でいちばん痛かった発見でした。

04 · Rank

検索順位とAI検索の可視性は連動しない

「まずSEOで上位を取ればAIにも拾われる」と言われますが、手元のデータはそうなっていませんでした。

質問・キーワード検索順位AI検索での結果
AI研修の費用相場(中小企業向け)69.7位ChatGPTが相場の根拠として引用
AIエージェントの内製化18.6位AI Overviewでは上位20件に不在
AI研修 費用90位AI Overviewに不在
AI研修 助成金95位AI Overviewに不在。1位は厚生労働省のPDF

1行目と2行目が逆転しています。検索で69.7位のページが引用され、18.6位のページが引用されませんでした。

引用されたページには心当たりがあります。8月上旬に、AI研修の費用について543件ぶんのデータを調べて追加したページでした。そのときの測定では引用されず、1か月後に測ったら引用に変わっていた。データそのものが引用の理由になった可能性があります〈推定〉。順位は69.7位のまま変わっていないので、順位で説明はつきません。

なお「助成金」のようなキーワードでは、AI Overviewの1位が省庁のPDFでした。公的機関が答えを持っている領域は、民間サイトが引用される余地がそもそも小さいと考えたほうが現実的です〈推定〉。

05 · Why

出なかった3つの理由

16件の「出なかった」を並べて、共通する原因を3つに絞りました。どれも小手先の対策ではなく、サイトの作りの話です。

理由1:自社が何者かを、サイトが答えていない

所在地・法人番号・正式名称がサイト上にほとんど無いと、AIは外部のデータベースから会社を特定します。そこに古い情報や別会社が混ざれば、そのまま回答に出ます。まず自分の身元情報を自分のサイトに置くのが先で、これは対策というより前提です。

理由2:サービスページに地域が書かれていない

これは調べていて驚きました。自社のページで「札幌」という語が何回出てくるかを数えたところ、きれいに分かれていたのです。

ページ「札幌」の出現性格
サービス案内(申し込み先)本文で0回何を売っているかは書いてあるが、どこで提供するかが無い
「札幌のAI研修の選び方」記事37回地域の話は全部こちらに書いてあった

地域性のある文章はガイド記事に、オファーは地域性のないページに——見事に分離していました。「札幌でAI研修を頼める会社」を探しているAIから見れば、申し込み先のページは札幌と無関係に見えます。これでは勧めようがありません。

理由3:古い情報が、そのまま再現される

8月の測定で、ChatGPTが自社の料金メニューを4つ挙げました。そのうち2つは、すでに販売を終了したメニューでした。1か月後に測り直すと、その2つは消えて現行のメニューだけになっていました。

つまり古い情報はすぐには消えないが、サイトを直せばいずれ反映されるということです。逆に言えば、間違ったまま放置した情報は、その間ずっとAIが読者に伝え続けます。検索なら「古いページが下位に沈む」で済みますが、AIの回答は1つにまとまるので、古い情報が唯一の答えとして出てしまいます。

06 · What we did

実際に直したことと、直さなかったこと

理由2が一番はっきりしていたので、そこから手を付けました。

直したこと

  • サービスページの冒頭に、対応地域を1文で明記した(道内は対面、道外はオンライン)
  • ページの説明文を、地域を含む文言に差し替えた
  • 構造化データの「提供地域」を、日本全体から日本・北海道・札幌市の3つに分けて書き直した

結果、本番ページでの「札幌」の出現は2回から4回になりました。効果が出たかどうかは、2026年10月中旬に測り直して判定します。見るのは1点だけ、「引用のみ」が「勧められる」に変わったかです。

あえて直さなかったこと

「札幌×研修の専用サービスページを新設する」という案は出ましたが、やめました。別のページで9月に公開した施策の判定が10月中旬に控えていて、同じ時期に似た手を重ねると、どちらが効いたのか分からなくなるからです。

これはGEOに限りません。施策を重ねるほど、何が効いたかを測る力は落ちます。1つ試して、判定日まで待って、結果を見てから次に進む。遠回りに見えますが、結局これが一番速いというのが自分の実感です。

ついでに被リンクも数えました。参照ドメインは22件ありましたが、実在する関係から来たものは1本だけで、残りはスパムでした。この1か月で「被リンクが増えた」ように見える数字が出ていましたが、増えた分はすべてスパムです。数字が増えたことを成果と読むと、判断を間違えます。

07 · What happened

その後:AI検索経由で、実際に人が来た

ここまでは「出たか、出なかったか」の話でした。公開後に続きがあったので追記します。測っている間に、AI検索を経由して実際に人が来ていました。2件あります。

何が起きたか中身
問い合わせ1件ChatGPTに「札幌市内で書類作成をAIで簡素化したい」という趣旨で相談した方が、候補の2〜3番目に当方を見つけ、サイト経由で問い合わせに至りました〈実測〉。サービス名ではなく業務課題の言葉で探されています
面談1件別の方が、AIに「AIソロプレナーの国内事例」を調べさせたところ当方に行き着き、面談になりました〈実測〉。自分で検索したのではなく、調べものの過程で見つかっています

どちらも共通点があります。「AI研修」「AI顧問」といったサービス名では探されていません。前者は業務の困りごとの言葉、後者は事例を探す言葉です。

その後、後者の経路がもう少し詳しく分かりました。面談で本人に聞いたところ、ウェビナーに登壇する準備として事例を調べていた過程で、AIコーディングエージェントに「国内の事例」を調べさせ、その結果に当方が入っていた、というものでした。こちらは何もしていません。つまり相手は「発注先を探していた」のではなく「話す材料を集めていた」。それでも面談に至っています。

ここが検索と違うところだと思います。検索は「探している人」しか来ませんが、AIに調べさせる使い方では探していない人の資料集めの中に入り込むことがある。営業の言葉で言えば、認知の前段に置かれる、という形です。同じ週に、まったく別の経路(SNS経由の紹介)からも面談が入りました。入口が2つあって、どちらも「こちらから営業していない」という点だけが共通しています。

この観察を確かめるため、公開から2日後にもう一度測りました。10個の質問を2つのエンジンで、合計20回です。

質問のしかたPerplexityChatGPT
社名・人名で聞く勧められ、引用も勧められた
「札幌で生成AI研修を依頼できる会社」不在不在
「中小企業がAI顧問を頼むならどこ」不在不在
「書類作成や申請書類の手間をAIで減らしたい」(取得できず)勧められ、引用も

結果は前回と同じ方向でした。サービス名で聞かれると出ません。業務の困りごとの言葉で聞かれると出ます。そして実際に来た1件は、後者とまったく同じ聞き方でした。

ここから言えることを1つに絞るなら、ページに書くべきなのはサービス名ではなく、相手が困っていることの言い方だということです。「AI研修をやっています」ではなく「申請書類のチェックに時間がかかっていませんか」の側です。

断定はできません。2件は2件であって、率でも傾向でもありません。同じことが3件目に起きるかは分かりませんし、測定も1回が取得できていません。それでも、サービス名のクエリで一度も出ていない一方、業務課題のクエリでは2回とも出ている、という食い違いは記録しておく価値があると考えて追記しました。

08 · Who

自分で測るか、頼むか

ここまでの内容は、全部自分でできます。必要なのはブラウザと、月に10分程度の時間だけです。手順はこの記事に書いたとおりで、①買い手の聞き方で3〜5個質問を決める ②必ず新しいチャットで1問ずつ聞く ③「引用された」と「勧められた」を分けて記録する、の3つです。まずは自分で1回測ってみることをおすすめします。数字を持たずに対策を語っても、何も判断できません。

原駿介(ゼネラリスト代表)
初回30分無料

執筆・監修:原 駿介ゼネラリスト 代表

測ってみたが解釈に迷う、直す優先順位を決めたい、という段階からご相談いただけます。自社で5週間測った記録をそのままお見せします。

  • 自社サイトで3エンジン・23回の実測ログを継続中
  • 建設・IT・SaaSの企業でAI顧問として継続支援中
  • 研修は年間50回以上・延べ受講者1万人以上

09 · FAQ

よくある質問

GEOとLLMOは何が違いますか?+
呼び方の違いで、指しているものはほぼ同じです。生成AIの回答に自社の情報が使われるようにする取り組みを、GEO(生成エンジン最適化)やLLMOと呼びます。用語を揃えることより、どのエンジンで、指名なしの質問に、引用されているのか勧められているのかを分けて測ることのほうが実務では重要です。
自社がAI検索に出ているか、どうやって調べますか?+
ブラウザで実際に質問するのが確実です。手順は3つ。買い手の聞き方で質問を3〜5個決める、必ず新しいチャットで1問ずつ聞く、「情報源として引用されたか」と「回答本文で勧められたか」を分けて記録する。月1回・10分程度で続けられます。同じチャットで続けて聞くと前の会話が影響して自社に有利な結果が出るので、必ず分けてください。
検索順位を上げればAI検索にも出るようになりますか?+
手元の実測では連動しませんでした。検索で69.7位のページがChatGPTに相場の根拠として引用された一方、18.6位のページはGoogleのAI Overviewで上位20件に入っていません。順位対策とは別に、自社の身元情報、提供地域の明記、引用に足る独自データといった要素を見る必要があります。
引用されているのに問い合わせが増えないのはなぜですか?+
「引用された」と「勧められた」が別だからです。解説記事が情報源として使われても、回答本文の「おすすめの会社」一覧に載らなければ、読者の選択肢には入りません。実測では、勧められていた5社はいずれもサービスページを持ち、こちらが拾われたのは解説記事でした。解説者として引用されるほど、頼める会社の候補からは外れていきます。
AI Overviewは、どのくらいの割合で出ますか?+
自社が測った範囲では、測定した7つの質問すべてで表示されました。AI Overviewが出なかった質問は1つもありません。測った数は少ないので断定はできませんが、検索結果の上にAIの要約が乗る前提で考えたほうが現実的です。なお助成金のような分野では省庁のPDFが1位に来ており、公的機関が答えを持つ領域は民間サイトが引用される余地が小さいと考えられます。
古い料金や社名がAIの回答に出てしまいます。消せますか?+
すぐには消えませんが、サイト側を直せばいずれ反映されます。実測では、8月に販売終了済みのメニュー2つが回答に出ていましたが、1か月後の測定では消えて現行メニューだけになりました。逆に言えば、間違ったまま放置した情報はその間ずっとAIが読者に伝え続けます。検索と違い、AIの回答は1つにまとまるので、古い情報が唯一の答えとして出てしまう点に注意してください。
原駿介(ゼネラリスト代表)のプロフィール写真

原駿介(はら・しゅんすけ)/ ゼネラリスト 代表

北海道・札幌を拠点に、中小企業の生成AI導入・業務効率化・AI研修・外部AI顧問をフルリモートで支援。研修は年間50回以上・延べ受講者1万人以上(2026年7月時点)。Claude Code を用いたAIエージェント設計が強み。行動指針は「先義後利」。

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