Column ・ 助成金 / 生成AI研修 / 中小企業
「生成AI研修を入れたいが、費用の一部を助成金でまかなえないか」——そんな中小企業に向けて、厚生労働省の人材開発支援助成金を軸に、補助金との違い・対象コース・助成率の目安・申請の段取りを、研修を提供する側の現場目線で整理しました。制度の金額・要件・期限は変わるため、必ず最新の公募要領・管轄の労働局でご確認ください。
生成AI研修の費用は、厚生労働省の「人材開発支援助成金」の対象になり得ます。これは研修(人材育成)そのものへの国の助成で、ツール導入への「補助金」(経済産業省・自治体系)とは別物です。どのコースに当てはまるか・助成率がいくらかは、研修の内容と目的、そして自社の状況で変わり、最終判定は管轄の労働局と、申請を担う社会保険労務士(社労士)が行います。「最大75%」といった数字は追加要件を満たしたときの上限で、無条件ではありません。私たち(合同会社ゼネラリスト)は助成金の要件に合う研修の設計までを担い、申請書類の作成・提出は社労士と連携します。以下、2026年7月時点の一次情報(厚労省)を添えて整理します。
Basic
最初に、言葉を整理します。生成AI関連の公的支援を調べると「助成金」と「補助金」が混ざって出てきますが、この2つは所管も対象も違います。ここを取り違えると、探す窓口も申請の相手も間違えてしまいます。
なお、以下で扱う金額・助成率・上限・要件・期限はいずれも2026年7月時点の情報です。制度は年度ごとに改正され、予算の消化状況でも受付が変わります。実際の適用可否は、必ず最新の公募要領と管轄の労働局でご確認ください。
Course
人材開発支援助成金には複数のコースがあり、生成AI研修が関わり得る代表は次の3つです。「生成AI研修だからこのコース」と一律に決まるわけではなく、研修の内容・目的・対象者で当てはまるコースが変わります。混同されやすいので、目的の違いで並べて整理します。
表:生成AI研修が関わり得る主なコース(2026年7月時点/厚労省 人材開発支援助成金)
| コース | 対象・目的 | 主な研修要件 | 向くケース | 助成率・上限 |
|---|---|---|---|---|
| 人材育成支援コース | 職務に関連した知識・技能を習得させる一般的な訓練 | OFF-JTで一定時間以上(原則10時間以上) | 日常業務のためのAIリテラシー・実務研修 | 要確認 →公式PDF |
| 人への投資促進コース (デジタル人材育成訓練 等) | デジタル・高度人材の育成、定額制(サブスク)研修など | コース内メニューごとに要件・対象訓練が異なる | DX・デジタル分野に踏み込んだ育成、定額制eラーニング | 要確認 →公式PDF |
| 事業展開等リスキリング支援コース | 新規事業・事業転換など事業展開に伴い新たに必要となる知識・技能 | 事業展開等の実態+OFF-JT(要件は要領で確認) | 新事業のためにAIスキルを新たに習得させる | 要確認 →公式PDF |
※ コース名・対象・要件・助成率は2026年7月時点。助成率と上限はコース内メニューや要件充足で大きく変わるため、断定を避け各コースの公式PDF(詳細版パンフレット)へのリンクに委ねています。自社がどのコースに当てはまるかの最終判定は、管轄の労働局・社労士へ。
Rate
助成率は「経費助成(研修費用への助成)」と「賃金助成(訓練中の賃金への助成)」に分かれ、中小企業か否か、賃金要件などの追加要件を満たすかで段階的に変わります。以下は2026年7月時点の目安で、正確な率・単価・上限は各コースの詳細版パンフレットと支給要領が正です。
2026年度(令和8年度)には、実務に効く改正が入っています。研修を検討する前に知っておくと、あとで慌てずに済みます。
Target
助成金の対象になるには、研修そのものが一定の条件を満たす必要があります。ここは研修を提供する側の設計に直結する部分です。代表的な条件を、実務の感覚を添えて挙げます(正確な要件は各コースの支給要領が正)。
研修の素の相場感(助成金を使わない場合の費用の目安)や、依頼先の選び方は、別記事にまとめています。あわせてどうぞ。
Flow
助成金は「研修をやったあとに申請すればもらえる」ものではありません。研修を始める前の「計画届」が起点です。ここを外すと対象にならないので、締切に一番気をつけたい部分です。代表的な流れは次のとおりです(コースにより細部は異なります)。
STEP 01
訓練の実施計画を、訓練開始日のおおむね1か月前までに管轄の労働局へ提出(受付はおおむね開始の6か月前から)。ここが最重要。提出前に研修を始めると対象外になり得ます。
STEP 02
計画どおりにOFF-JTを実施。訓練時間の要件を満たし、出欠・実施時間を記録します。受講時間・受講場所を計画どおりに守ることが、後の支給に効きます。
STEP 03
訓練終了日の翌日から原則2か月以内に支給申請。令和8年度は疎明書(様式第28号)などの書類も必要です。期限を逃すと受給できません。
STEP 04
労働局の審査を経て、要件を満たしていれば支給されます。書類の不備や要件の未充足があると、減額・不支給になることがあります。
Cost
「助成率が45%なら、実質いくらになるのか」をイメージするための、あくまで目安の試算です。当社で助成金の対象になる研修は30万円〜のため、ここでは定価30万円を例にしています。下表は「経費助成のみ」を単純化して示したもので、実際には賃金助成が別途加わったり、上限・要件充足の有無で変わります。この表は概算のイメージであり、実額を保証するものではありません。(正確な料金は料金ページ、実額は管轄労働局/社労士にご確認ください)
表:経費助成の実質負担イメージ(2026年7月時点・要件充足時の目安・断定不可)
| 研修費用(定価の例) | 経費助成率(目安) | 実質負担の目安 |
|---|---|---|
| 30万円 | 45% | 約16.5万円 |
| 30万円 | 60%(要件充足時) | 約12万円 |
| 30万円 | 75%(対象メニュー・条件付き) | 約7.5万円 |
※ 2026年7月時点の目安。経費助成のみを単純計算した概算で、賃金助成・上限額・対象経費の範囲・要件充足の有無は反映していません。実額は必ず管轄労働局/社労士に確認してください。75%は特定メニュー・追加要件を満たした場合の上限であり、無条件ではありません。
実質負担が下がるぶん、要件に合うなら助成金は積極的に使うべきだと考えています。ただし、「助成金が使えるから」を理由に研修の中身を痩せさせるのは本末転倒です。目的はあくまで現場でAIが使われるようになること。助成金は、そのための費用を軽くする手段にすぎません。
助成金を使わない場合の素の相場(単発6万円〜、体系講座・法人研修など)は、別記事に整理しています。
Hokkaido
札幌市や北海道、経済産業省 北海道経済産業局などが、DX・IT導入向けの補助金を用意していることがあります。ただし、これらは多くが「AIツール・システムの導入」に軸足のある補助金で、ここまで説明してきた厚労省の「研修への助成」とは制度も所管も別です。混ぜて考えると、探す窓口も要件も食い違ってしまいます。
ツール導入や顧問活用と補助金の関係は、別記事でも触れています。
Pitfall
助成金は有効ですが、「もらえること」を前提に走り出すと、思わぬところでつまずきます。研修を提供してきた立場から、実際に起きやすい落とし穴を共有します。
Position
ここは誤解が生まれやすいので、はっきり書きます。助成金の申請書類の作成・提出の代行は、社会保険労務士(社労士)の独占業務です。私たち(合同会社ゼネラリスト)は「当社が助成金を申請します」とは言えませんし、しません。私たちが担うのは、あくまで研修の側です。
「うちの場合はどのコースが当てはまりそうか」「研修をどう組めば要件に乗るか」の見立てから、お手伝いできます。最終的な適用可否・申請は、労働局と社労士の判断になります。
FAQ
Contact
「うちの研修はどのコースに乗せられそうか」「要件に合う中身にするには」——研修設計の面からの見立ては、当社がお手伝いできます。申請は社労士と連携して進めます(採択は保証しません)。まずは現状を聞かせてください。最初の相談は無料です。売り込みはしません。
関連ページ:札幌で生成AI研修を頼むには / 札幌でAI顧問を選ぶには / 研修・料金のご案内 / 実績 / コラム一覧